時にやわらかく、そしてしっとり、続いてねっちりめいたクッキーの奏でる甘やかな旋律の中にチョコレートの色彩が芽生え、やがてゆるやかに渦を巻いて星の彼方へ消えて行く。
アメリカンチョコチャンククッキーをつくりました。
甘くって一枚が大きく直径10cmくらいあって、分厚くって、チョコレートチャンクがごろごろ入っていて、冷やすとねっちり食感(特に中央部分!!)が強めになる、あのクッキーです。
クッキーの生地をこしらえて、4分割し、天板に並べて形を整え、焼成して完成です。
焼成終了の音が鳴り、オーブンの扉を開けると透きとおって甘い匂いがふんわりやわらかなうねりとなって辺りに広がっていきました。
熱々のクッキーは柔らかく崩れやすいので網の上にオーブンペーパーごと移して冷まします。蜜の泡がしゅわしゅわしゅわと弾ける音が聞こえ、あつあつに膨れたクッキーは本来の落ち着きを取り戻すかのように縮んでいきます。クッキーの表面には憧れの割れ目がしっかり出現していました。
焼き立てで網の上で冷まされたばかりのクッキーを頬ばってみると、厚みがあって食べ応えがあり、ミルクチョコレートの塊がたっぷりとあって、そしてとろんとしています。チョコレートの塊を噛み砕いていくと、その香りが口全体に広がってチョコレート風味一色の世界へと変化していきます。
私はまずはバニラプレーンの生地のみをよく味わうべく、チョコレートを避けてちまちまと囓ってみたのですが、すぐにチョコレートの塊に遭遇してしまいました。
バニラ風味のクッキー生地とミルクチョコレートが戯れている所で、淹れたての珈琲をちゅっとすすると、珈琲の苦みとクッキーのふくよかさ、チョコレートの香りが絡み合い溶け合って華麗な舞を繰り広げてゆくのです。
割ってみると、中はこんな感じになっています。
残りはタッパーに入れて冷蔵庫で保存します。ここからがこのクッキーの醍醐味です。
冷蔵庫で冷やされたクッキーはねっちり度合いが増していました。ミルクチョコチャンクは冷えて固くなり、噛み砕くのに力が要ります。結構固い。私はそのまま食べてしまいますが。お好みで電子レンジ150wで1分ほど温めるなどして常温に戻すといいかもしれないですね。その際はホイップクリームを添えてもよさそうです。
【冷めてねっちり強め しっとりやわらか&ねっちりアメリカンチョコチャンククッキー レシピ】
直径約10cm 一枚につき約73g 厚さ1.2cm 4枚分
【材料】
・製菓用マーガリン 40g
・無塩バター 10g
・上白糖 65g
・グラニュー糖 10g
・はちみつ 5g
・塩 1g
・重曹 1g
・レモン汁 5g
・バニラオイル 0.5g
・バターフレーバー 1g
・ブランデーエッセンス 1g
・卵黄 20g(M玉約1個分)
粉類:
・強力粉 95g
・ベーキングパウダー 4g
・森永クリープ(またはコーヒーに入れるクリーミングパウダー)10g
ミルクチョコレートチャンク:
・ミルクチョコレート板チョコ(約1cm角にカットする)50g
【下準備】
・板チョコは約1cm角にカットし、細かいチョコレート屑は取り除いて、綺麗な角のみを冷蔵庫で冷やしておく。
・粉類(強力粉、ベーキングパウダーと森永クリープ)は合わせてふるっておく。
・油脂(製菓用マーガリン、無塩バター)は常温にしておく。
・天板にオーブンシートを敷いておく。
【作り方】
1.ボウルに製菓用マーガリンと無塩バターを合わせてクリーム状に練り、グラニュー糖、上白糖、はちみつ、塩、重曹、レモン汁、香料(バニラオイル、バターフレーバー、ブランデーエッセンス)も加えてよく混ぜ合わせる。
2.卵黄を加えてよく混ぜ合わせる。
3.ふるっておいた粉類を2.のボウルにくわえてさっくりと混ぜ合わせる。ミルクチョコレートチャンクも加え、ざっと混ぜ合わせる。ベーキングパウダーが反応して効力が薄れてしまうため、生地を練らないように注意する。粉気がみえなくなったらすぐに混ぜるのをやめる。
4.ボウルにラップをして冷蔵庫に入れ、15分休ませる。
5.オーブンの予熱を180℃設定で開始。冷蔵庫からクッキー生地を取りだし、一度全体の重さを確認してから4等分にする。手で丸めて直径7cmのハンバーグのような平たい丸形に整えたら天板に間隔をあけて並べ、180℃のオーブンで8分、170℃に落として7分焼く。焼きムラを防ぐため、残り時間8分で向きを変える。
6.焼けたらオーブンから取りだし、オーブンペーパーごと網の上に移して冷ます。
メモ:
・クッキーの生地を四等分した際、一つにつき焼成前が約78g、焼成後は73gになりました。
・4~5日ほど冷蔵保存できます。それ以内に食べきれない、あるいは少しでも劣化を防ぎたい場合は、ラップに包み、さらに袋かタッパーなどの密封容器に入れて冷凍保存します。
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