【レシピ】ねっちり強めしっとりやわらかアメリカンクッキー　胡桃＆ダブルチョコレート

ひんやりとした秋風がそっと頬を撫でたとき、ふっとチョコレートの香りがした気がしました。

近くにはチョコレート専門店はもちろん、お菓子屋もありません。どこかのカフェから漂ってきたのでしょうか、それとも、私の記憶の底から立ち昇ってきたのでしょうか。

やがてその匂いは、私の頭の中で胡桃やチョコレートを入れたふっくらと大きくて甘いクッキーへと姿を変え、熱く入れた紅茶とともにくつろぐひとときへの情景へと移行していきました。

チョコレートクッキーを一口かじり、そこへ熱い紅茶をちょっとすすると、チョコレートの香りがふわっと花開き広がっていくあの瞬間。目を閉じれば、空想への扉が開き、薔薇と宝石と天鵞絨（ビロード）に囲まれた一人だけの秘密の部屋へと入ることが出来ます。（この日はそんな気分だったのです。先日パリの画像でも見た影響かな？）そこで私はしばし心を休め、英気を養って、現実の世界へと立ち帰ってゆくのです。

気がつけば、物寂しかったはずの空気が変化したように思います。私の心が変化したからでしょうか。

うん、クッキー焼こう。

焼き立てはチョコレートブラウニーにそっくり。表面はさっくりと焼け、中はほどよくしっとりとしています。チョコレートはとろっとやわらかく、大粒の胡桃がザクザクしていて香ばしい。大粒の胡桃を自分の歯で割った瞬間は快感です。

甘さについては、確かにしっかり甘いのです。一方で砂糖の量はアメリカでよく見かけるレシピ配合より少なくしてあります。生地にチョコレートチャンクもたっぷり加えるのだから、砂糖によるねっちりに重きを置くと甘過ぎて流石に歯が疼いてしまう。ねっちりと、自分が許せる甘さのぎりぎりの間の綱渡りです。

一枚自体大きいのですが、気分が乗れば食べ切れてしまうんですよ。食べきれなければ丁寧に包んで後で食べれば良いわけですし。残しておけば、後で発見したときに「まだある！」という喜びもまた楽しみの一つの方法です。

冷蔵庫で冷やすと生地が引き締まって噛み応えが増すのですが、反面チョコレートの香りは押さえられるので、今回は常温に戻すか、軽く温め直して食べるのがおいしく感じました。

【ねっちり強めしっとりやわらかアメリカンクッキー　胡桃＆ダブルチョコレート　レシピ】
直径約9.5～10cm　一枚につき約83g　厚さ1.6cm　4枚分

【材料】
・製菓用マーガリン　40g
・無塩バター　10g

・上白糖　65g
・グラニュー糖　10g
・はちみつ　5g
・塩　1g
・重曹　1g
・レモン汁　1g
・バターフレーバー　1g
・ブランデーエッセンス　1g

・卵黄　20g（M玉約1個分）

・強力粉粉　85g
・ココアパウダー　15g
・ベーキングパウダー　4g
・森永クリープ（またはコーヒーに入れるクリーミングパウダー）10g

・板チョコ　1cm角にカット　50g
・胡桃　荒く割る　30g

【下準備】
・板チョコは約1cm角にカットしておく。
・胡桃は荒く割っておく。大まかに1～2cm粒程度。
・粉類（強力粉、森永クリープ、ココアパウダーとベーキングパウダー）は合わせてふるっておく。
・油脂（製菓用マーガリン、無塩バター）は常温にしておく。
・天板にオーブンシートを敷いておく。

【作り方】
1．ボウルに製菓用マーガリンと無塩バターを合わせてクリーム状に練り、グラニュー糖、上白糖、はちみつ、塩、重曹、レモン汁、香料（バターフレーバー、ブランデーエッセンス）も加えてよく混ぜ合わせる。
2．卵黄を加えて混ぜ合わせる。分離してしまったら、油脂を軽く温めると混ざりやすくなる。
3．ふるっておいた粉類を2．のボウルにくわえてさっくりと混ぜ合わせる。ベーキングパウダーが反応して効力が薄れてしまうため、生地を練らないように注意する。途中チョコチャンクと胡桃も加えて、粉気がみえなくなったらすぐに混ぜるのをやめる。
4．ボウルにラップをして冷蔵庫に入れ、15分休ませる。
5．オーブンの予熱を180℃設定で開始。冷蔵庫からクッキー生地を取りだし、4等分にする。手で丸めて直径7cmのハンバーグのような平たい丸形に整えたら天板に間隔をあけて並べ、180℃のオーブンで8分、170℃に落として7分焼く。焼きムラを防ぐため、残り時間7分で向きを変える。
6．焼けたらオーブンから取りだし、オーブンペーパーごと網の上に移して冷ます。

メモ：
・クッキー生地を四等分に分けた際、焼成前が一つにつき約88g、焼成後に約83gになりました。

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