噛みしめるごとにプチプチとはじけて広がるブラックペッパーの香り。
ブラックペッパーのピリ辛さが味の先端の座にいて、
堂々とそこにあることを示している。
クッキー生地は卵黄ときび砂糖効果で全体的にまろやかな風味。
ほんのり甘くて、塩の存在も感じられる。
脆(もろ)く崩れやすくて、さくほろ系の食感。
厚焼きでころころとした正三角形のパルメザンチーズ&ペッパーサブレクッキー。
焼成後は高さが最大で約1.4cmまでふくらんだ。
甘いクッキーなら1~2枚で満足な時でも、
このチーズ&ブラックペッパーサブレクッキーなら倍の枚数をつまんでしまう。
真冬のころ、草花の成熟し固く乾燥した実を見つけて思わず手にとった。
指先で擦(こす)ると中から黒い種がこぼれ出てきたっけ。
土にふれた種は、春になったら芽吹いていくんだろうな。
ふと、そんなことを思い出した。
ブラックペッパーは実であって、種そのものではないけれども。
黒い見た目が種を想起させるんだもの。
今、私の歯によって砕(くだ)かれたブラックペッパーは
あのときの種が口の中ではじけ飛んで広がっているよう。
やがて私の血肉となって、活動するための源へと変換されてゆくのでしょう。
【極さくほろ。厚焼きパルメザンチーズ&ブラックペッパーサブレクッキー レシピ】
直径3.8cm三角型 生地を1cmに伸ばして焼いて 21枚分 1枚約7g
【材料】
粉類:
・薄力粉 75g
・コーンスターチ 5g
・ベーキングパウダー 4g
・無塩バター 40g
・きび砂糖 16g
・塩 1g
・卵黄1個分+卵白で調整して 17g
(S玉を使うと卵黄1個の大きさが大体15~17gに当たりやすいです。)
チーズ:
・粉チーズ(パルメザンチーズ)16g
・粗挽きブラックペッパー 3g
ぬり卵液:
・卵白 小さじ2
・塩 ひとつまみ 約0.1g
【下準備】
・粉類(薄力粉、コーンスターチ、ベーキングパウダー)は合わせてふるっておく。
・天板にオーブンペーパーを敷いておく。
・オーブンは焼成前に予熱を入れる。
・無塩バターは常温の柔らかい状態に戻しておく。(電子レンジ150wで約1分加熱すると早いです。溶けないように注意。)
【作り方】
1.ボウルに無塩バターを入れ、クリーム状になるまでゴムべらで練る。
2.きび砂糖と塩を加えてよく混ぜ、卵を加えてさらによく混ぜ合わせる。
3.粉チーズと粗挽きブラックペッパーを加えてなめらかになるまで混ぜ合わせたら、粉類を入れ、さっくりと混ぜ合わせていく。生地がぼろぼろとしている状態になったら、最後は手でひとまとめにする。
4.生地をラップで包み、冷蔵庫で2時間以上、できれば1日休ませる。
5.ラップから生地を外し、軽く練って生地を滑らかにする。ラップで挟んで、1cmの厚さにめん棒で伸ばし、三角型で抜く。冷凍庫で数分冷やし固めると綺麗な形に抜ける。
6.ぬり卵液の材料を小皿に入れてよく混ぜ合わせ、クッキーの上に指で塗る。
7.天板に並べ、170℃のオーブンで約20分焼く。焼きムラを防ぐため、オーブンタイマーの残りが7~8分程度になったら向きを変える。
8.網の上に移して冷ます。
メモ:
・材料の無塩バターは、全量をバターで作ると香りは高いですが胃に重くなるので、今回は製菓用マーガリンを混ぜて作ってあります。
・焼き上がったクッキーは、タッパーなどの密封容器に入れて冷蔵庫で保存すると劣化が遅いです。保存期間は4~5日です。
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