ねっちりとした甘い喜び。おとぎの国への渡航券。
いろいろと配合変えて作ったところ、今一番のお気に入りのレシピが出来上がりました。
作り方も簡単で、材料を混ぜ合わせてクッキー生地をつくったら、冷蔵庫で15分ほど一休みさせます。冷蔵庫で冷やされたクッキー生地は扱いやすいですからね。
ぱぱっと4分割して、ハンバーグみたいな形に整えて天板の上に並べます。クッキー生地の直径は7cm以上に伸ばすのがポイント。
直径6cmで焼いた時は、その分クッキーの厚みが出て、食感はよりふんわりとしたものになりました。
私みたいにねっちりとした食感が好きであれば、最初から直径7cmに伸ばして焼くことをおすすめします。
クッキー生地を天板の上に並び終えたら、予熱したオーブンの中へ。
オーブンの中で熱せられると、まるで絵本に登場するおひさまみたいにふわーっと膨らんでゆきます。
途中で焼きムラを防ぐために天板の向きを変えたり、焼きすぎを防止するために温度を下げたり。
焼成終了の音がぴーっぴーっぴーっと鳴って、クッキーを外から取り出す瞬間広がる匂いのなんていいこと!
冷ますためにオーブンペーパーごと網の上に移し替えます。耳を近づけてみると、泡が勢いよく爆ぜる音が聞こえてくるんです。
クッキーの温度が下がるにつれて音も膨らみ加減も小さくなって落ち着いていきます。
さあ、それではいただきます!
一枚が大きいから、まずはひとかけら割って、それをぱくっと口に放り込みます。
アメリカでこよなく愛されているクッキーですが、今回私が自分で作って食べたとき、空想が一気に広がったのは、パリでした。もはや気分はパリで味わうCookies Américains(クッキーズアメリカン)なのです。
甘ったるくて濃密でミルキーで華やかな香りがムンムンと漂う想像の中のメリーゴーラウンドの世界。
レースで縁取りをしたシーツを敷いたベッドの上に座り込んで味わう紅茶。金色の唐草模様のついた小箱の上に無造作に置かれた真珠の首飾り、青い宝石。
ねっとり甘美な時間は刹那的で、まばたきの間に喉の奥へと消えて行ってしまうんです。そうして夢から目覚めてゆく。その去り際の潔いことといったら!
ちょっぴり味を確認した後はタッパーに入れて冷蔵庫へ入れます。2日目以降になるとクッキー生地がしっとりと焼き戻りしてきて、ねっちり感も増してきます。これを数日間に分けて食べてゆくのです。
ある日、冷凍庫に入れたらもっと固くなっておいしいんじゃないかと思ってやってみることにしました。
実食の感想は、冷凍庫から取りだしたばかりのクッキーは固い!ボリボリする。でも数秒もするかしないかのうちに常温の柔らかさへと向かう上に、口の中に放り込まれたクッキーは瞬く間に柔らかくなるので、冷蔵庫でひやしたものよりいろいろな食感が楽しめました。
【冷めてねっちり強めアメリカンシュガークッキー レシピ】
直径約9.5~10cm 一枚につき約61g 厚さ1.2cm 4枚分
【材料】
・製菓用マーガリン 40g
・無塩バター 10g
・上白糖 65g
・グラニュー糖 10g
・はちみつ 5g
・塩 1g
・重曹 1g
・バニラオイル 1g
・バターフレーバー 1g
・ブランデーエッセンス 1g
・卵黄 20g(M玉約1個分)
粉類:
・強力粉 95g
・ベーキングパウダー 4g
・森永クリープ(またはコーヒーに入れるクリーミングパウダー)10g
【下準備】
・粉類(強力粉、ベーキングパウダーと森永クリープ)は合わせてふるっておく。
・油脂(製菓用マーガリン、無塩バター)は常温にしておく。
・天板にオーブンシートを敷いておく。
【作り方】
1.ボウルに製菓用マーガリンと無塩バターを合わせてクリーム状に練り、グラニュー糖、上白糖、はちみつ、塩、重曹、香料(バニラオイル、バターフレーバー、ブランデーエッセンス)も加えてよく混ぜ合わせる。
2.卵黄を加えて混ぜ合わせる。分離してしまったら、油脂を軽く温めると混ざりやすくなる。3.ふるっておいた粉類を2.のボウルにくわえてさっくりと混ぜ合わせる。ベーキングパウダーが反応して効力が薄れてしまうため、生地を練らないように注意する。粉気がみえなくなったらすぐに混ぜるのをやめる。
4.ボウルにラップをして冷蔵庫に入れ、15分休ませる。
5.オーブンの予熱を180℃設定で開始。冷蔵庫からクッキー生地を取りだし、4等分にする。手で丸めて直径7cmのハンバーグのような形に整えたら天板に間隔をあけて並べ、180℃のオーブンで8分、170℃に落として7分焼く。焼きムラを防ぐため、残り時間7分で向きを変える。
6.焼けたらオーブンから取りだし、オーブンペーパーごと網の上に移して冷ます。
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