春先を思わせるような柔らかな風が頬にそっと口づけをして通り過ぎてゆきます。
生地には食紅を加えてピンク色に仕上げたのですが、焼き色がつくと苺っぽくないですねえ。
一口ほうばると、自然の苺らしい香りと酸味がほがらかな気分へといざないます。
今回の配合で焼き上がったちんすこうでは、プレーンな生地の中央によく出現する空洞はほぼなくて、その代わり大きめの気泡ができていました。空洞が出来上がる前の段階といったところでしょうか。
フリーズドライされているとはいえ、いちごの果肉が入っているためか、ほんのりぱりぱりした食感がしました。フルーツ果汁入りクッキーみたい。今回は生地を作ったら冷凍庫へすぐに入れ、別の日に解凍して即焼成したものです。おそらく生地を寝かせる時間を長くしたら(一晩ねかせたら)苺パウダーと小麦粉がなじんで口溶けも変わると思います。(ココナッツミルクパウダーで作った時も似た現象が現れました。生地を寝かせる時間が短いとパリパリっとした食感があり、長いと驚くほどの口溶けの良さへと変化しました。)
【苺ちんすこう レシピ】
生地の厚さ1cm、4cm×2.5㎝波長方形抜き型使用で16枚+小さいあまり1個分
(型は波長方形の3個セットの一番小さいものを使用しました。)
【材料】
ちんすこう生地:
・薄力粉 85g
・コーンスターチ 10g
・いちごパウダー 10g
・ラード 50g
・粉糖 50g
・ストロベリーエッセンス 適量
・食紅 赤 微量
【下準備】
・粉糖をふるっておく。
・粉類(薄力粉とコーンスターチ、いちごパウダー)も合わせてふるっておく。いちごパウダーをふるうと、種が粉ふるい器に残るが、それはそのまま粉に混ぜる。
・ラードは常温にしておく。
【作り方】
1.ラードに粉糖を加え、ゴムべらなどでよく混ぜ合わせる。
2.粉類を加え軽く混ぜてから、最後は手でひとまとめにして冷蔵庫で1時間以上休ませる。
3.生地を一端崩してから手早くまとめ直し、厚さ1cmに伸ばして型で抜く。余った生地は手で丸める。
4.180℃に予熱したオーブンに入れ、170℃に温度を下げて約20分焼く。焼きムラを防ぐため途中で天板の向きを変える。
【覚え書き(メモ・留意点)】
・生地を厚さ1cmに伸ばすとき、ラップで挟むようにするとくっつかず綺麗に伸ばせます。
・生地を厚さ1cmに伸ばすとき、カットルーラーを使うと簡単に均等な厚さにすることが出来ます。アクリルやアルミ製など製菓用の道具も売っていますし、ホームセンターで厚さ1cmの木の棒を購入し、お店で半分、あるいは適当な長さにカットしてもらって使えば格安に済ませることができます。
・オーブンには個体差があるので、焼具合に関してはいろいろ調整してみてください。私の現在のオーブンでは、約22分焼いてしっかり水分を飛ばしサクサクに焼き上げています。タイマーが残り6分ほどになったとき、天板の向きを変えています。
・ちんすこうは非常にしけやすいのでタッパーなどの密封容器に入れるとか、お皿にラップを2重にかけるとか、密封保存袋に入れるとかして冷蔵庫で保存します。
・焼成前の生地をあらかじめ作って冷凍保存しておけば、後日焼くだけなので便利です。