ただただ透明に。
静寂の中にあらゆる音が吸いこまれてしまったような空気が漂う。
こんな時にお茶を淹れるの、好きだな。
お茶うけに用意したのは甘食。
小麦粉と砂糖と卵とバターの素朴な焼き菓子。
一口ほおばるとはちみつの香りがふわっと広がる。
空気をふんだんに含んでふわっとした感覚がしたかと思うと、ほろっと崩れていく。
カステラのような、ビスケットのような。
薄力粉だけ使って焼いたものよりも固めの仕上がりで噛み応えがある。
そのぶん、口の中が乾いて水分を要求するから、お茶を飲む。
食べたっていう満足感があった。
脂っこくないリーンタイプで口当たりもあっさりだから、胃に重くないのもいいところ。
体が温まったから厚手のカーディガンを脱いだ。
ふっー。あっつ。
「薄力粉と中力粉で作った場合の食感 まとめ」
・薄力粉で作った甘食 一番軽くてふわっとした食感。
・薄力粉と中力粉で作った甘食 ふわっとしていて軽さもある。
・中力粉で作った甘食 3つのタイプのなかで一番固い仕上がり。噛む回数が多くなる。
【甘食(あましょく)はちみつ入り。しっかり固め&ふわっと軽いver. レシピ】
底面直径5.5~6cmに絞って、焼き上がり7.5cm 高さが3.5~4cm 約8個分
薄力粉100g 中力粉100g
材料:
粉類:
・薄力粉 100g
・中力粉 100g
・ベーキングパウダー 8g
油脂:
・バター 26g
卵液:
・卵(M~L玉、約60~65g)1個 (今回は卵1個分の量が65gだった)
・牛乳(卵と合わせて)111g
・上白糖 70g
・はちみつ 10g
・重曹 1g
切り込み用:
サラダ油 適量
下準備:
・粉類は合わせてふるっておく。
・バターはやわらかいクリーム状にしておく。電子レンジ150wで40~50秒ほど加熱した後、ゴムべらで練るとすぐに出来上がる。
・絞り袋に金口1.3cmを入れて、セットしておく。(金口の大きさは1cm以上にする。今回は1.3cmのものを使用した)
・絞り袋は大型のコップ等、底が深い容器に入れて、あけ口を広げておくと、生地を流しこみやすい。
・天板にクッキングペーパーを敷いておく。
作り方:
1.小型のボウルに卵液を作り、そこへ上白糖を加え、砂糖を溶かしておく。
2.別のボウルに粉類を用意し、そこに卵液を加え、ゴムべらでさっくりと混ぜ合わせる。まだ粉気が残っているうちにバターを加え、よく混ぜ合わせる。艶が出たところで生地を混ぜるのを止める。
3.ボウルにラップをして生地を15分ほど休ませる。
4.オーブンの温度を220℃にセットし、予熱開始。
5.絞り袋に生地を詰め、ベーキングシートの上に直径5~6cmほどのドーム型に絞っていく。垂直に山形に絞ることで、富士山のような甘食らしい形に焼ける。焼成中に膨らむので、充分に間隔を開けて絞り出すこと。
6.オーブンの予熱が完了したのを確認してから、絞り出した甘食生地の上部中央にサラダ油を塗ったナイフで切り込みを入れる。生地の側面に油が垂れてはいけない。油がつくとその部分が焼成中に割れてしまう。予熱
が完了してから切り込みを入れるのは、焼成前の生地が油を吸うのを防ぐため。
7.220℃のオーブンで10~11分、焼き色がつくまで焼く。
8.オーブンから取り出し、粗熱が取れた後、袋等に入れておく。
メモ:
・ベーキングパウダーは縦に膨らむ作用があり、重曹は横に膨らむ作用がある。
・重曹を加えると、焼き上がりが黄金色に色づく。甘食の見た目がいかにも卵たっぷり入っていそうな色をしているのは、重曹のおかげである。ベーキングパウダーだけだど、もっと白っぽい仕上がりになる。
・重曹は混ざりにくいので、水分(牛乳)に溶かしてから生地に加えるようにする。
・絞るときは、垂直方向に約1cmくらいの高さから絞り始め、次第に3cmほどの高さに上げてく
・ナイフは尖ったバタースプレッドナイフ、包丁、ハサミ等の使用でよいが、先の細く鋭利な包丁がおすすめ。
・切り込みは鋭利なナイフで幅が小さい方がいい。大きい包丁だと横に割れて高さが出なくなってしまう。深さは1cmほど。側面に油がたれないようにするとうまくできる。