赤い苺の艶やかさ、甘酸っぱい優美さ。
そのジャムを甘さ控えめの甘食(あましょく)で挟む。
ちょっと甘くて油分も少なめで胃に軽い。
ふんわりしてるけど、それなりに固さもあってビスケットみたいで。
シンプルで日常的に食べても飽きが来ない。
そういうのがほしい。
この甘食はそんな願いを叶えてくれた。
加える砂糖の量を控えめにしたから、後からジャムやクリームを挟むのにちょうどいい具合に仕上がったと思う。
もちろんそのまま食べてもいい。
甘さ具合は甘食としては控えめで、よくあるジャムパンとかクリームパンとかに使われる菓子パン生地と同じかそれよりやや甘いくらいだろうか。
苺ジャムを挟むとちょっと生地がしっとりして風味や潤いが増すし、
軽い口当たりの和製ヴィクトリアサンドイッチケーキといった風雅な趣を醸しだしたりもする。
紅茶を淹れればさらに和洋折衷の気分に浸れたりする。
前回(以下記載の甘食 砂糖控えめジャムサンド用)と同じも材料配合だけれど、今回は甘食生地を作った後、生地を休ませることなくすぐに絞り出してオーブンで焼いた。
大きな違いはないけれど、今回の方がやはりベーキングパウダーの効力がより強く出ている焼き具合だと思う。
中身はこんな感じ。こんもりとした富士山型。
【甘食 甘さ控えめジャム&クリームなどちょい足し向けver. レシピ】
底直径約7.5㎝ 高さ約3.5㎝ 1つ約48g 8個分
材料:
粉類:
・薄力粉 200g
・ベーキングパウダー 8g
卵液:
・全卵 100g (約2個分)
・牛乳 50g
・グラニュー糖 35g
・はちみつ 10g
・重曹 1g
・水(重曹用)1g
油脂:
・バター 16g
・ラード 20g
切り込み用:
・こめ油 適量
ジャム:
・苺ジャム 適量
【下準備】
・直径1.3cmの金口を絞り袋にセットしておく。絞り袋の大きさは内容量600mlを使用しています。
・天板にオーブンシートを敷いておく。
・湯煎の準備をする。小鍋に水を入れ、50℃まで温めておく。
・粉類は合わせてふるっておく。さらに泡立て器でぐるぐる混ぜておく。
・重曹は水に溶いておく。
・生地の切り込み用に先の鋭いナイフ・包丁を用意しておく。
・バターはやわらかいクリーム状にしておく。電子レンジ150wで30秒ほど加熱した後、ゴムべらで練るとすぐに出来上がる。
・オーブンの温度を220℃にセットし、予熱開始しておく。
【作り方】
1.ボウルに粉類を合わせてふるっておく。
2.別のボウルに全卵、牛乳、はちみつを入れて混ぜ、そこへグラニュー糖を加えて泡立て器で混ぜたら、湯煎にかけて砂糖を完全に溶かす。溶けたら湯煎から外し、水で溶かした重曹を加えて混ぜ、1~2分置いて冷ましておく。
3.2.で冷ましておいた卵液にやわらかくしたバター等の油脂を加えて泡立て器でよく混ぜ合わせる。
4.卵液を粉類に流し入れ、ゴムべらで混ぜ合わせる。このとき、生地になめらかさと艶が出ているかを確認する。
5.生地の形が崩れるのを防ぐため絞り出したら直ぐにオーブンに入れて焼きたいので予熱が完了していることを確認した後、絞り袋に生地を詰める。ベーキングシートの上に直径6cmほどのドーム型に絞っていく。垂直に山形に絞ることで、甘食らしい形に焼ける。焼成中に膨らむので、充分に間隔を開けて絞り出すこと。
6.絞り出した生地の上部中央にサラダ油を塗ったナイフで切り込みを入れる。生地の側面に油が垂れてはいけない。油がつくとその部分が焼成中に割れてしまう。
7.200℃のオーブンで12分、焼き色がつくまで焼く。焼きムラを防ぐため、残り約5分で天板の向きを変える。
8.オーブンから取り出し、網の上で冷ます。粗熱が取れた後、袋に入れて保存する。半日~翌日まで置いた方が味がなじんでおいしい。
9.包丁で半分に切りわけ、ジャムを塗ってはさむ。
メモ:
・ベーキングパウダーは縦に膨らむ作用があり、重曹は横に膨らむ作用がある。
・重曹を加えると、焼き上がりが黄金色に色づく。甘食の見た目がいかにも卵たっぷり入っていそうな色をしているのは、重曹のおかげである。ベーキングパウダーだけだど、もっと白っぽい仕上がりになる。
・重曹は混ざりにくいので、水に溶かしてから生地に加えるようにする。
・絞るときは、垂直方向に約1cmくらいの高さから絞り始め、次第に3cmほどの高さに上げてく
・ナイフは尖ったバタースプレッドナイフ、包丁、ハサミ等を使うが、先の細く鋭利な包丁がおすすめ。
・切り込みは鋭利なナイフで縦に深く、横に小さい方がいい。切りこみ線が横に長い(大きい)と生地が横に割れて(または横に広がって)高さが出なくなってしまう。深さは1cmほど。側面に油がたれないようにするとうまくできる。
・全卵の分量は守る。卵の量が多いとぱさついた食感に傾くので注意。