暑い日々も終わりに近づき、秋めいた空気が漂ってきました。
夏はゆで豚しゃぶにポン酢の組み合わせがたびたび食卓に登場したけれど、そろそろじゅわっと焼いて醤油だれを絡めた豚肉をあつあつのごはんの上にのせるのもいいかもしれないと思い始めました。ご飯にはもち麦を混ぜて、ちょっと贅沢に卵黄ものせよう。
それでははりきって作っていこうか、なんて気負う必要の全くなし。ただ豚肉(今回冷蔵庫にあったのは豚肉の切り落とし)を小さなフライパンの上で焼くのです。
火が通ってくるとじゅうじゅうじゅうと音が立ってくるのですが、これは何度聞いても飽きがきませんね。全てをまあるく包み込むようで、あらゆる雑念を吹き飛ばす力を持っていると思います。
豚肉に軽く火が通ったら、そこへめんつゆか、あるいは醤油、お好みでみりんや酒を少量加えてざっと火を通します。焼きすぎないうちに肉は取り除きます。火を通しすぎるとかたくなっちゃいますからね。そして、残った肉汁は煮詰めて濃厚なタレにするのです。
炊きたてのごはんをお茶碗に装ったら、その上に焼いた豚肉を並べ、中央に卵黄を落とします。さらに上から醤油ダレをかけて完成です。
まずは豚肉をつまんで食べます。コクのある醤油が絡まった豚肉の旨みにきゅーんとしますね。次に、箸で卵黄を崩します。流れ出た卵黄がとろ~っと肉全体を覆って、もち麦飯の中へしみ込んでいきます。
卵黄と醤油ダレをからめた豚肉ともち麦飯をいよいよ口に運ぶと、濃厚な旨みとコクが一体となって噛みしめるごとに広がっていきます。もち麦のぷちぷちした食感が軽快で楽しいし、豚肉の脂身のまろやかさがじわーっと姿を現したときには思わず幸せを噛みしめました。
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