色男の流し目といった風情ではない。
もっと野太い感じがする。
鍛え抜かれた男性の肉体といったような。
それを、喰らうのです。焼き鳥として。
作り方は簡単です。鶏むね肉を大きめに切り分け、ポリ袋に入れて塩麹を加え、3~4日漬け込み、串に差してフライパンでゆっくり弱火で焼くだけ。後はご飯に卵黄を用意して、焼き上がった焼き鳥を添える。
塩麹につけ込まれた鶏のむね肉はやわらかくなってぽくぽくの焼き魚みたいな食感で、やっぱり和の世界を感じてしまいますね。
大口を開けて頬ばるとぷりぷりしこしこと弾力があって、澄んだ塩麹の香り豊かな肉汁がほとばしります。
熱いのでほふほふっと口に空気を運びながらかみ続けると、肉がほどけていい塩梅になってくるんです。そこで飲みこむ。
焦げ目のところはより深いコクとまろやかさと食欲をそそる香りが凝縮されています。ほんのり焼きチーズみたいで、そこが麦飯と絡み合って、思わず胸きゅん。
ご飯のつぶつぶ、葱の香味、塩麹の深味のあるしょっぱさとあっさりと淡泊な鶏むね肉が一体化し、最後には卵黄の濃厚なコクとまろやかさが全体を包み込んで、喉の奥へと消えて行くのです。
続いて、脂身をちょこっとかじると旨みがぱーっと広がって、葱しゃきしゃき、麦飯ぷちぷち、卵黄とろん。
ああ美味しい!
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