これは、はじまりの味だと思いました。
好みの組み合わせ次第で味は七変化し、次はどんなアレンジで食べようかと夢膨らむ種みたいなものを持っているのです。
つまるところ、薄く味付けされた鶏むね肉は淡泊な味わいなんです。他の食材の味を邪魔せず調和する。
だから、味の素、ゆかり、納豆、沢庵、葱、三つ葉、お茶漬け等々で香味を加えたらさらにおいしく、より豊富な味わいを楽しめるという次第なんです。
このゆで鶏は鶏ハムとかサラダチキンとか呼ばれるものと作り方は同じです。
私は味つけはもっぱらめんつゆが多いのですが、ポリ袋に鶏の胸肉と大さじ2~3くらいのめんつゆを入れて空気を抜いて口を縛り、2日~4日くらいつけ込んだものを80℃くらいのお湯でゆっくり火を通した(鶏肉の大きさに合わせて15~20分茹でて、1時間以上放置した)ものです。茹で上がった鶏肉は、煮汁と身とを分けてから、身を手でほぐしてゆきます。(ちなみにこのほぐしゆで鶏はグリーンサラダの上にのせてもいいし、ポテトサラダやかぼちゃサラダみたいな混ぜる系のサラダ、きゅうりの酢の物など色々合わせやすく、とっても気に入っています。)
ご飯をお茶碗に装ったら、ゆで鶏のほぐし身をのせ、中央に卵黄を落として、分けておいた煮汁をかけてできあがりです。
それでは実食なのです!
薄くて明るい初秋の空気みたいな色合いの鶏肉は、あっさりしていて柔らかい。
しこしこと弾力のある歯ごたえがあって、それが旨みたっぷりの煮汁を吸ったもち麦飯のぷちぷち感と混ざり合います。
さらに卵黄の濃厚なコクがとろりとしながら全てをまとめ上げ、一体となって撹拌され、喉の奥へと消えて行くのです。
さて次はどんな味の花を咲かせようかな。
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